ScTNを活用した「読み解き会」を実施

熊本市の公立学校では、児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指し、熊本大学の苫野一徳准教授が監修されている教育アセスメントツール「ScTN(School Transformation Networking)」を導入し、教育活動の質的向上に取り組んでいます。 

ScTNは、従来の教員の経験や勘だけでなく、データに基づいた客観的なエビデンスとして学校や学級の特徴・課題を把握できるというよさがあります。児童生徒の自己評価による回答を「内なる声」として可視化することで、教員の見取りとのズレに気づき、一人ひとりをより深く理解する手立てとなるほか、いじめや不登校の未然防止・早期発見にも役立ちます。また、MEXCBT(文部科学省CBTシステム)を通じて端末から回答するだけで自動集計されるため、教員の業務負担を増やすことなく「学びに向かう力」や「人間性」といった見えにくい非認知能力の育成状況を確認できるのも大きな利点です。 

本校では、校内研修で取り組む「授業改善プロジェクト」の個人課題設定の前に、第1回質問紙調査の結果をもとにグループで読み解き、実態をとらえるための「読み解き会」を行いました。指導課の指導主事やNTTドコモビジネス6人の方々から、ScTNの見方について手厚いサポートをいただきながら実施しました。専門的な視点からのサポートは、結果を深く読み解くうえでとても大きな効果がありました。 

読み解き会では、担任だけでなく、元担任、特別支援学級の担任、専科教員など、いろいろな立場の教職員がグループになり、多角的な視点でデータを読み解きました。グラフや数値で可視化されたデータをもとに、自分の考えを言語化・外化して対話することで、一人では気づけなかった視点が得られ、ScTNの結果から児童の実態をとらえることにつながりました。参加者からは、「予想通りで驚いた」「意外な結果だったが、見えていなかった一面かもしれない」といった声が聞かれました。 

ScTNの結果を読み解く中で、私たちが「授業改善すべきこと」が見えてきました。大切なのは、読み解いて実態をとらえたものを、自身の授業改善に生かすことです。客観的なデータをもとに話し合うことで、教職員間で課題の共通認識を持ち、一体となって取り組むための有効性を実感しました。 

さらに、指導主事やNTTドコモビジネスの方からは、「ベーシックパッケージ(質問数33)だけでなく、より所要時間の短いライトパッケージ(質問数13)も上手に利用してほしい。教科を絞ったり、単元の前後で実施したりして実態を把握するなど、気軽に活用してほしい」とのアドバイスをいただきました。加えて、「先生たちの取り組みがデータとして形に現れるため、そのことが先生方の頑張りを評価し、今後の取り組みへの後押しになるのではないか」という温かい感想もいただきました。 

教育という営みは、取り組んだことがすぐに成果として見えない部分も多くあります。しかし、ScTNの活用は、私たち教職員がこどもたちの確かな成長を実感し、よりよい教育を届けるための「1つの手助け」となることを感じました。 

今後もScTNを活用し、児童生徒一人ひとりの可能性を引き出しながら、その成長を支えるよりよい教育環境づくりを進めていきます。 

 


 

教育構想

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