校区の地形
金峰山は外輪山をいただく複式火山
本校区は金峰山の中にあります。一般に金峰山と呼ばれている山の正式名称は、一ノ岳です。金峰山という名称は、正確には一ノ岳に、二ノ岳や三ノ岳等の外輪山を含めた山の集まりの総称を指すそうです。特に、一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳の三つの山は、「肥後三山」と呼ばれています。このうち、学校付近からは、一ノ岳と二ノ岳を眺めることができます。
写真左は、芳野中学校の見継(みつぎ)へ向かう通学路から望む一ノ岳です。標高は665mです。市街地から見ることのできない方向と角度で臨む一ノ岳です。
写真右は、芳野中学校の運動場から見上げた二ノ岳です。肥後三山はの中で最も高い山が二ノ岳で、標高は685mです。芳野小中学校から二ノ岳までの距離が一ノ岳までのそれの半分ほどですので、一ノ岳と比べて実際以上に高く感じます。
金峰山は、今からおよそ140万年から15万年前に、「別府ー島原地溝帯」上で噴火してできた火山です。阿蘇と雲仙を結ぶ直線状のほぼ中間に位置しています。一の岳は、カルデラ内にできた中央火口丘です。粘り気のあるマグマが盛り上がって冷えてできる、いわゆる溶岩ドームです。
下の写真の中央やや右に見える山が一の岳、両脇に連なる山々が外輪山です。ですので外輪山は、阿蘇山と同じ複式火山です。この写真を撮影した見継(みつぎ)も、北側の外輪山の中腹にあります。
(令和2年5月27日 見継より撮影)
カルデラに雲海が発生することもあります
外輪山からは、条件がそろえば雲海を見ることができます。雲海とは、高い地点から眼下に見える濃霧や雲のことです。本校区では、岳地区(カルデラ底)に濃霧が発生し、一定の標高以上(外輪山)に雲がかかっていない場合に見ることができます。
雲海ができる条件は
①放射冷却現象で岳地区一帯の気温が下がる
②その際に水蒸気を含んだ空気が冷やされて、逆転層現象が発生する(上空の乾燥して安定した空気の層よりも地表付近の気温が低くなる)。
③冷えた空気がたまる(逆転層は無風でないとできません)。
④岳地区一帯の水蒸気が飽和状態に達し、霧が発生する。
です。
写真は、カルデラ底に発生した雲海です。1枚目の写真とほぼ同じ地点から撮影したものです。中央に見える山が一ノ岳です。この時点では、推定で標高300mほど以上では霧が発生していません。ですので、標高約350mのこの地点からは遠くまで見渡せました。
(令和4年4月25日午前6時 見継より撮影)