漱石俳句ウォークラリー

芳野の森緑(しんりょく)の恩恵を受けながら俳句を詠みます

平成十年代から、本校は俳句活動を続けています。名称は「漱石俳句活動」です。毎月27日を「漱石俳句の日」と定め、その週を「漱石俳句週間」として、子どもたちは作句に励みます。そのような活動のうち、象徴的な行事が「漱石俳句ウォークラリー」です。

これは平成14年から実施している本校独自の行事です。環境緑化推進活動に関連する行事であり、遠足・旅行的な要素もある文化芸術活動です。子どもたちがとても楽しみにしている行事の一つです。

明治の文豪、夏目漱石先生は小説「草枕」を執筆されています。この作品は、漱石先生が小天温泉まで旅をした体験が元になっています。その際、先生は現在の本校区を東西に横断するように徒歩で旅をされました。道中、野出の峠の茶屋では、夕日の沈む天草を見て俳句をしたためられました。このことを由来として始めた教育活動が「漱石俳句活動」であり、その象徴として創設された行事が漱石俳句ウォークラリーなのです。

草枕の道をたどり 芳野の秋を詠みます

ウォークラリーは年に一度、秋に実施します。上下の学年の2コースがあります。下学年の子どもたちは、野出の峠の茶屋を目指し、一ノ岳を左側に見ながら高低差の小さい外輪山沿いの市道を歩きます。上学年の子どもたちは、一旦、力坂をカルデラ底まで一気に下ります。そして、石畳の道を経由しながら漱石先生の歩いた道をたどり、上下学年合流地点である河内グランドを目指して外輪山を登ります。

漱石先生が旅をされた道は、現在、「草枕の道」として金峰山の東の麓の島崎から西の麓の小天(おあま)まで整備されています。子どもたちはその途中にある芳野校区内を歩きます。

その間、子どもたちは健脚を競いつつ、秋の芳野の森緑(しんりょく)を堪能します。ふるさと芳野の素晴らしい環境を五感で味わい、豊かな感性を味わいます。石畳の道や野出峠の茶屋では、休憩を兼ねて俳句を詠みます。そして、河内グランドでは句会を開き講師の先生から講評を頂きます。

このように、漱石俳句ウォークラリーは、徳・知・体の各領域を兼ね備えた行事です。令和2年以降はコロナ禍に対応しながら実施可能な内容で継続してきています。

保護者の皆さんも一緒に俳句作り

令和4年度からは、保護者の皆さんにも参加を呼び掛けています。少しでも参加しやすいようにと、平日開催を土曜日開催に変更しました。令和5年度からは、新型コロナウイルス感染症の5類移行を受けて、お弁当も一緒に食べていただいています。

  

 

夢広がる俳句ウォークラリー

令和5年度、隣の校区である玉名市立小天小学校で「草枕の里俳句ウォークラリー」が初開催されました。これは同校区内にある草枕交流館が企画したものです。この企画にあたり、本校は漱石俳句ウォークラリーをはじめとした漱石俳句活動について情報提供しました。しかし、草枕の里俳句ウォークラリーは、本校の漱石俳句ウォークラリー以上に深い内容のウォークラリーでした。

二つの俳句ウォークラリーは、どちらも夏目漱石を由来とします。もともと、本校区西部は小天校区と結びつきもあります。草枕交流館の館長先生たちとは「近い将来、合同で俳句ウォークラリーを開催して、文字通り『草枕交流』ができるようにしたいですね」という話が持ち上がっています。

令和9年、漱石の来熊130周年を迎えます。この節目に、本校の「漱石俳句ウォークラリー」と小天小学校の「草枕の里俳句ウォークラリー」で合同の「『草枕の道』俳句ウォークラリー」(仮称)を開催できれば、金峰山エリアにおける文化芸術的価値が見直され、子どもたちや地域の皆さんの「ふるさと芳野を誇りに思う心」もますます高まると思います。

 

【あしあと】

令和6年度 第55回博報賞功労賞(主催 博報堂教育財団 ※贈呈式等会場日本工業俱楽部

 

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