地域学習「芳野学」
ふるさと芳野を誇りに思う心を育む学び ー「芳野学」
芳野小学校では、生活科及び総合的な学習の時間において、芳野校区に関する学習や体験活動を実施しています。これらの学習活動を「芳野学」と呼んでいます。「芳野小『まごころ』運動」の「『学び』の心」を育むために、大切な学習です。
全校児童で取り組む活動があります
全校児童で活動する「漱石俳句活動」や「環境緑化推進活動」も「芳野学」です。漱石俳句活動は、地域文化芸術の学習として位置付けています。環境緑化推進活動は、環境保全学習です。緑化推進活動では、植物の栽培だけではなく、花苗配布のような地域貢献活動、緑への関心を高める「わたしの樹(き)活動」「桜の授業」等も行います。それぞれの活動を他活動と関連付けながら進めています。
「芳野学」を通して、ふるさと芳野のよさを愛するとともに、社会参画力を育て熊本市教育大綱の基本理念にもある「よりよい社会の創造者」として育成していきます。
低学年では自分のよさを知ることから始めます
「芳野学」では、低学年では1年生の自分のことを見つめる学習から始めます。自分のよさやできるようになったことを知り、自尊感情を育てます。道徳等他教科との教科横断的に進めます。2年生では学校の外に目を向けます。地域の人とふれあう時間を設定しています。「まちたんけん」なども設定しています。校内に設置している「にじいろ畑」では野菜の栽培やヤーコン栽培に挑戦します。
中学年では地域産業や伝統文化を学び取ります
中学年は、東海大学隈本キャンパスエコツーリズム研究会の皆様をお招きして、今後の学びの見通しを持つところから始めます。また、地域の皆様の支援も受けながらの学習もあります。3年生は、社会科学習との教科横断的な学習を通したたけのこ掘り体験、みかん農家見学、ジャガイモ収穫等の地域産業学習、キジ放鳥体験等を行います。どれも、金峰山、芳野の自然の恩恵と結びついた内容です。
また、4年生では、地域文化学習に取り組みます。地元の施設見学や講師を招聘しての神楽体験等を通して、芳野のよさや古(いにしえ)からの人の営みに気付きます。1年生での自分のよさに気づく学習として、自尊感情の育成につながる「十歳を祝う会」があります。
高学年では環境学習や平和学習、福祉学習に取り組みます
高学年では、単元「ふるさと河内をほたるの飛び交う里にしよう」を通して、河内川におけるほたるの幼虫放流や有明海の水質調査や保全活動を通して、環境学習を行います。一部は希望者による地域振興活動体験「おれんじしょっぷ」にも参加します。これらは、西区金峰山エリアまちづくり協議会様のご支援により実施しにています。ホタルの放流や水質保全活動については、長年、地域で活動されてこられた「せせらぎ会」の皆様もご支援をいただいています。また、平和学習は6年生が行います。さらには、福祉教育として「ささえりあ金峰」様を招聘して「認知症サポーター養成講座」を実施しています。
学習成果を発信します
学年によっては「芳野学」での学びを、秋に開催する「芳野小『まごころ』発表会」で発信しています。他学年児童や保護者、地域来賓の皆様に向けて発表します。 プレゼンテーション形式のほかに学びを劇に表すなど、子どもたちのアイデアをもとに工夫を凝らした発表をしています。
さらに、例年1月末に開催される芳野コミュニティーセンター祭りにおいて、代表学年が発表します。このときは、保護者の皆さまに加えて校区住民の皆様にの情報を発信します。
小中一貫校として9年間を系統立てて進めています
この「芳野学」は、芳野小中一貫校のカリキュラムの柱にも位置付けています。小学校6年間の学びは、中学校3年間の地域学習の素地となります。そこで「芳野学」を9年間の学びととらえ、系統的に取組を進めています。内容については、他教科との関連も含めて、毎年少しずつ見直しています。見直した内容は芳野小中一貫校カリキュラムマップに整理して小中学校で共有し、翌年の実践につなげます。
「教育は地域に根差し、地域の文化の中で育まれてこそ、力を発揮します」ーこれは、本校の大先輩であられる校長先生の言葉です。この言葉を大切にしながら、十五の春の姿ー「ふるさと『芳野』を誇りに思い、夢に向かって自律する子ども」の育成を進めてまいります。
※「芳野学」の学習活動ダイジェスト版はこちらからご覧いただけます。
※小中9年間の「芳野学」について概要をまとめたスライドをこちらからもご覧いただけます。
※「芳野学」の学びを支えていただいている東海大学熊本キャンパス客員教授小林寛子先生とエコツーリズム研究会の皆さんによる「芳野えーる」のホームページはこちらです。