7月
7月1日 夏到来を教えてくれる芳野の森緑(しんりょく)
前回のたよりで梅雨明けとともに復興ひまわりの開花をお知らせしました。写真は今日の運動場ですが、まさしく夏という感じです。おかげで、その後も各学級園で小ぶりながら次々とひまわりが咲き始めています。
また、学年の一人一鉢からも夏の到来が伝わってきています。1年生の教室前の鉢にはあさがおが咲いています。1年生の子どもたちは「校長先生、私のあさがおを見てください。花が咲きました。」などと次々に声をかけてくれました。毎朝水をかけて育てたあさがおです。とても愛しいのでしょうね。
ひまわりもあさがおも、まだまだ咲き続けます。早い梅雨明けのおかげで、子どもたちは例年の1学期よりも、「学校の夏の森緑」を長く味わうことができそうです。
7月5日 霧に包まれて台風の雨に濡れる芳野の森緑
今日は台風4号の九州上陸の影響で臨時休校となりました。本来であれば、5年生が芳野学の環境保全学習でEM団子を作る予定でしたが、中止になりました。EM団子は、河内川や有明海をきれいにするために欠かせないものです。芳野の森緑を守る活動の一環であり、子どもたちの社会参画体験にもつながる取組ですので、非常に残念です。
朝は強風の唸る音もしていましたが、午後2時現在はほぼ無風です。臨時休校ですので子どもたちはいません。子どもたちの声の代わりにニイニイゼミの鳴き声が聞こえてきます。
写真左は7月1日付の写真とほぼ同じ場所から撮影した写真です。校舎は濃い霧に包まれ、辺りは真っ白です。森緑は霧雨に濡れています。百年桜も花壇の花々も濡れて、しっとりとたたずんでいます。その校舎の通路はすっきりとしています。台風対応で植木鉢やプランターの多くを屋内に避難させたためです。
再び雨脚が強くなってきましたが、あすは天候が回復へ向かう予報が出ています。朝から子どもたちと一緒に植木鉢等を元の場所に戻したり、傾いたひまわりのお世話をすることができそうです。
次回の森緑だよりこそ、子どもたちの姿を伝えたいと思います。
7月11日 森緑と親しむ子どもたち
子どもたちは運動場の樹木を利用して、入り口やその先の世界を創作していました。枝と枝の間にスズランテープを渡し、フラフープをかけて入り口を作ったり、「みんなの森」で集めてきた小枝や運動場脇の植物で装飾したりするなど、芳野の森緑を生かした創作です。
完成後の休み時間には作品を下級生に開放していました。1年生は、興味津々で入口を抜けながら、どのような風景が見けるのか、どのような世界が待っているのか、期待を膨らませて潜り抜けていました。6年生が森緑を使って造形し、1年生がそこで遊ぶ…いい風景でした。
なお、造形作品は数日のうちに撤収となりました。森緑を傷つけないための配慮です。短期間しか遊ぶことができませんでしたが、だからこそ、価値のある作品でした。きっと芳野の森緑も喜んでいたことでしょう。
7月12日 よしの百年桜で交流した南阿蘇西小学校からお便りが
平成28年に発生した熊本地震では県内各地で大きな被害が出ました。そのうち特に甚大な被害を受けた地域の一つが南阿蘇村です。翌年3月、本校の全児童は南阿蘇西小学校を訪問し、復興を祈念してよしの百年桜の苗木を植樹しています。11日、その南阿蘇西小学校の子どもたちから、思いがけなくお礼の寄せ書きが届きました。
震災から6年が過ぎ、この春、当時の1年生の子どもたちは学び舎を卒業されました。幾多の苦難を乗り越え、元気に中学へ進んだそうです。おめでとうございます。私たちもうれしいです。
お手紙や寄せ書きなどには、当時の支援への感謝と今春の卒業が報告されていました。写真に写っている子どもたちは満面の笑みを浮かべています。復興支援をしてよかったと思いました。また、コスモスの種も同封してありました。南阿蘇小学校の子どもたちが一生懸命育てたコスモスの種です。
今、南阿蘇村は着実に復興へと向かっています。昨年は新阿蘇大橋が開通し、国道57号線も整備されて復旧しました。長陽大橋や戸下大橋も本復旧し、南阿蘇鉄道の新たな鉄橋も姿を現しつつあります。それに伴い、観光客も戻り始めています。以前の南阿蘇村の姿を取り戻しつつあります。
お便りと寄せ書き、コスモスの種は、今朝の児童集会で運営委員長さんが全校に紹介しました。さっそくプランターを並べた南阿蘇西小「復興の絆」コーナーを確保して、種を撒きました。開花したら報告をしたいと思います…。
7月13日 河内漁協の皆様に感謝しながら芳野の森緑の恩恵をおいしく頂きました
毎年、河内町漁協の海苔生産後継者の会の皆様から河内海苔を贈呈していただいています。河内海苔は全国でも屈指の品質を誇ります。ミカンやナシとともに河内町の特産品の一つです。今年は去る7日に会の皆様が来校されました。そして、昨日、その海苔を給食として子どもたちが食べました。
子どもたちはさっそくおにぎりを作り始めました。多くの子どもたちは丸くて大きなおにぎりです。中にはおかずのマーボやもやしを入れた人もいました。表情を写真でお伝えできないことが残念なくらい、子どもたちは大喜びでおにぎりを頬張っていました。
そのような河内海苔は、芳野の森の恩恵の一つでもあるのです。河内海苔は河内町沖の有明海が生産場所です。そこに注いでいるのが河内川です。河内川は芳野の森に源流を持っています。そして校区の南側一帯を東から西へと流れていきます。子どもたちがお世話をしている芳野の森緑が川の水をきれいにし、その水が海へと注ぎ、そこで高品質の海苔が生産されているのです。ちなみに、来たる15日には、環境保全学習として、5年生が河内川の水生生物調べとEM団子投入を行う予定です。
ですから河内海苔は芳野の森緑の恩恵と言えるのです。まさに「森緑を守る芳野の子ども 子どもを見守る芳野の森緑」です。これからも芳野の森緑を大切にしていきたいものです。河内漁協の皆様、ありがとうございました。
7月15日 1年生が「わたしの樹(き)」を選びました
本校の環境緑化活動の一つに「わたしの樹」活動があります。これは、子どもたちが芳野の森緑により親しみを抱くための活動です。13日、この活動に1年生が取組ました。
1年生は初めて取り組みます。ですので、6年生が応援に駆けつけてくれました。1年生の子どもたちは、6年生から木のあらましを教えてもらったり、樹木札を下げる時に抱えてもらったりしていました。
1年生の関心を集めていた樹木は、やはりよしの百年桜(ソメイヨシノ)です。1年生にとっても特別な存在のようです。他に人気を集めていた樹木は果樹です。特に、モモやクルミなどが人気でした。
それぞれの「わたしの木」は、定期的に写真記録等を残し、年間を通して観察していきます。3学期には学級で発表会もします。樹木も季節の移ろいで姿を変えていきます。選んだ樹木から子どもたちがどのような発見をしてどのように親しんでいくのか楽しみです。
7月17日 1学期最後のグリーンタイム
15日、今月のグリーンタイムを実施しました。この日は未明に雨が降っていて、おかげで地面は柔らかな状態でした。そのため雑草を抜きやすくなっていました。
猛暑のため、学級園は雑草がたくさん生えています。根こそぎ除草しやすいこともあり、 子どもたちは普段以上に張り切って除草活動に取り組みました。
下学年の学級園には上級生が応援に駆けつけており、一緒に活動していました。「校長先生、見てください!」と言って抜いた雑草を何度も見せてくれます。軍手を見て「あぁあ、汚れた。」とつぶやいている子もいましたが、「汚れているのは、一生懸命頑張っている証拠ですね。」と伝えるととても喜んで、再び活動を続けていました。中には、林立している復興ヒマワリの間まで入り込んで除草する人もいました。
学級園の除草も、子どもたちの人数が少ないので移動しながら進めます。子どもたちが移動した跡はきれいに茶色の地面が露出し、すがすがしい気持ちになってしまいます。「通った跡には、草木1本残らない」という言葉ではありませんが、子どもたちの活動し跡には雑草がありませんでした。いつもがんばっていて、とても感心します。さすがは「森緑を守る芳野の子ども」たちです。
この日は1学期最後のグリーンタイムでした。夏季休業中の除草は私たち職員が引き継ぎます。2学期最初の登校日に、気持ちのよい学級園の状態にしておきたいと思います。
7月20日 河内川の水質調査とホタルの幼虫の放流
15日、5年生が河内川の水質調査とホタルの幼虫の放流をしました。これは、「芳野学」の環境保全学習の一環です。長年、この学習活動は「ホタルを守る会」の皆様にご支援をいただいていましたが、一昨年度からは河内まちづくりセンターや河内公民館、せせらぎ会の皆様よりご支援をいただいています。また、昨年度からは河内小学校4年生の皆さんとの合同授業となっています。
会場は本校区1町内川床地区にある「みちくさ館」とその裏を流れる河内川です。まず、子どもたちは水質調査の説明を聴きました。川にいる水生生物の種類を調べると、その川の水質のよし悪し、つまり、きれいなのか汚いのかがわかるということを教えていただきました。そして、河内川へ入りました。
普段は川に入ることは禁止されています。子どもたちは、水生生物の捕獲をしながら、故郷を流れる河内川に親しむこともできました。石をひっくり返すなどしながら、網で水生生物を捕獲していました。
この1か月余り、子どもたちは教室でホタルの卵及び幼虫のお世話をしていました。この日までに数百匹の幼虫がふ化しており、川から上がる前に放流しました。
ふ化して間もないホタルの幼虫は、肉眼でははっきりと見えない大きさです。知っている方から教えられて初めてわかるほどです。その幼虫は自分よりもものすごく大きなカワニナを食べて成長するそうです。順調に育つホタルは、来年の5月中旬以降に河内川を舞います。皆、来年が楽しみになりました。
この後、子どもたちは少人数に分かれ、水生生物調べをしました。普段なら気にしない大きさのものが、今日の調査対象です。皆、目を凝らして探し、スポイトで吸い上げ、皿に移してレンズで観察していました。そして、発見した生物の種類から、河内川の水質がきれいであることを実感しました。
この活動は、10月の有明海水質調査へと続きます。一連の活動を通して、環境保全の大切さを感得するとともに、ふるさとの活性化等社会参画力の素地も育つことを願っています。
7月28日 夏休みの森緑(しんりょく)
夏休みに入り、セミの声くらいしか聞こえなくなった芳野小学校ですが、芳野の森緑は夏の装いを増してきています。
正門前の「あいさつ通り」入り口では、朝顔がカーテン状に広がり始め、お客様を出迎えています。「ほほえみ通り」ではゴーヤーのカーテンが広がってきました。
1週間ほど前のグリーンタイムで子どもたちが除草活動した学級園は、みるみるうちに雑草が生えていました。そこで、先生方が除草活動されました。首(こうべ)を垂れていたひまわりも一部を残して抜きました。
5年学級園前に設置した「南阿蘇西小学校『復興の絆』コーナー」のプランターの雑草も抜きましたが、その際、コスモスの最初の芽を確認することができました。活動していた先生が疲れを忘れて感動していました。
にじいろ畑でも担任の先生が水を撒いておられました。雑草が生い茂っていましたが、マルチシートの穴から顔を出していたヤーコンやミニトマト、オクラなどの野菜は元気に育っています。
夏休みの間、よしの森緑(しんりょく)だよりでは、これらの様子を継続的にお知らせしたいと思います。